メモ書き

経理としてのキャリアを歩みつつも分析屋さんとなりつつある時々インド料理についても書き残すブログ

大企業の経理はいわゆる「経理」の仕事はあまりない

 大企業において、効率化・委託化された経理部門ではいわゆる伝票起票や経費精算といったザ・経理業務に携わる機会は意外と少ない。

 

 では、そのような経理部ではどのような業務があり、どのようなスキルが求められていくのだろうか。まだ3年弱と在籍期間は短く若干知ったかぶっているかもしれないが、これまで様々な担当と関わったことで得た知見を元に考察していきたい。そして今後経理部門を目指している方の参考になれればと。。

 

 

・どのような部署があるのか?
 大きく分けて4分類くらいにできるのではないかと思う。

① 会計処理を検討する部署
 日本基準やIFRS米国会計基準等、各会計基準における会計処理の検討。このような専門部署で扱うのは金額が大きいのに限られ、細かなところは各担当者の裁量に委ねられる。

② 現場の経理処理をフォロー等をする部署
 現場と相対している経理部門。ここが一番経理っぽいことをしている。ただし単純作業はほぼほぼ現場部門や外部委託へのアウトソーシング、システム化が進んでいるため、主には現場や委託先のフォローやシステムのメンテナンスが多い。まあ月次決算業務と言われるものもあれど、ほとんど現場が起票した伝票の承認が主。

③ システム導入する部署
 会計システムは常にアップデートやライセンス切れに伴うリプレイスなどが起こるため、それらに関する取りまとめを行っている。

④ 取りまとめを行う部署
 各種社内の会計処理、月次決算業務、連結決算の取りまとめや各部門との調整ごとを行っている。

またこれらの部署の共通として科目や取りまとめた数字の増減分析、必要な情報を取得するためのデータベースの処理などがある。

 

・スキル(高度な簿記の知識は必須ではない)
 経理といえば簿記の資格が無いと仕事が務まらないと思う人もいるかと思うが、実際のところ簿記は無くても仕事の遂行はほぼ可能。ただし、貸借の概念や勘定科目の意味は大まかなところが理解できていないと、ただの作業マンとなってしまい今後が厳しい気もする。

 簿記2級以上を保有している人は全体の半分いるのか?という程度。もっと言ってしまえば、専門的なところは外部委託(いわゆる会計コンサルティング会社)に入ってもらってフォローしてもらえれば十分で、難しい会計処理についてコンサル会社、監査法人と折衝して決定するのは一握りの会計士社員や役職者が行う。

 作業マンにならずある程度業務遂行がしやすいレベル感としては、3級程度の簿記の知識に加え、前任者の業務や1年前に何をやっていたかを探れる粘り強さ、定期的な納期に間に合わせるプロジェクトマネジメント力、そして何よりSQLなどのデータベースに対する基本的な知識とExcelスキル(最低限の関数やピボットテーブルを駆使してささっとデータ集計するスキル)は必須。あと、数字に対する責任感。

 

・業務繁忙
 おまけで。四半期決算のある4月、7月、10月、1月は極めて忙しく、それ以外は月初を除けばかなり楽という、だいぶ忙しさの波が固定されている点で、プライベートのスケジュールも組みやすい。ここまで効率化、システム化がされていると作業自体に追われることはほぼ無く、どちらかというとデータベースから数字抽出したり、それを元に分析し資料にまとめて報告するといった一連の仕事が大変。

 前述の通り、はじき出した数字が本当に正しいのか?というのは担当者しか検証ができないため、経営層に対して間違ったインプットをしないためにも極めて慎重に数字の検証、裏付けを行わなければならない。課長層はその裏付けに対してシビアにチェックをしており、レビューではそこをロジカルに妥当性を説明できないと厳しい指摘をもらうことになる。

 

 ざっと思いつきで書いたが、本当に経理の基本業務からやりたい場合は大企業に勤めるのオススメはできず、規模の小さい企業に勤めるのが良いのではないかと思う。